【イベントレポート2021.6.20】Most Likely to Succeed 上映会&トーク in 信州なかの


左から、ゲストのISN代表の栗林梨恵さんと中野市長・湯本隆英さん。ファシリテーターのMLTS中野市実行委員の武田祐美子さん

「中野市の未来の教育を考えよう」

6月 20日(日)、上映会&トークイベントが開催され、オンラインと会場合わせて市内外から52名が参加しました。

上映したドキュメンタリー映画は『Most Likely to Succeed(直訳すると「成功する可能性が最も高い」)』(1998年)。舞台となる米国のとある高校では、教科ごとの授業もテストもなく、受験のための勉強もありません。1つのテーマについて、科学・技術・美術・数学を横断して学び、チームメイトと共にテーマに沿った演劇や立体装置を1年かけて創作します。そこでは「自分に何ができるか、何が足りないのか」を自ら問い、自ら学ぶ生徒の姿があり、教師はただその手助けをしているだけです。学校が知識を詰め込むだけの従来の教育をやめたとき、生徒はあらゆる方法を駆使して自由に情報を検索し、新しい創造を始めたのです。

上映後のトークでは、ゲストである中野市長の湯本隆英さんと、インターナショナルスクールオブ長野(ISN)代表の栗林梨恵さんから教育について貴重な意見を聞くことができました。湯本さんからは、長野県では学校の選択肢の少なさに課題を感じていること、栗林さんからは保護者や地域、学校が連携することで、より良い教育へと実を結ぶ、という話がありました。

失敗も成功も共に経験することから生まれた子どもたちの創造力こそが、私たちや社会全体が何よりも求めている「生きる力」なのではないでしょうか。中野市の子どもたちが受ける公教育も、新しい時代の新しい生き方に、勇気を出して踏み出せる教育であってほしいと願います。(中川)

「Most Likely to Succeed 」って?

アメリカに住む、ある一人の父親が子どもの未来について真剣に考えるためにつくった教育ドキュメンタリー映画です。人工知能(AI)やロボットが生活に浸透していく21世紀、現在学校に通っている小中学生の65%が、今はまだ存在しない職業につくと言われているこの時代、これまでと同じただ知識を覚えるためだけの教育で本当にいいのか?という疑問から映画は始まります。日本と同様な受験偏重型教育と、生きる力を身につける実践的な教育のバランスをどう考えるかなど、国は違えど似た状況も多く、教育を取り囲む様々な視点について考えさせられる内容です。2015年の公開以来、全世界20カ国で上映され、大きな反響を巻き起こしています。日本でも教育に関心を持つ方たちの間で全国的に話題となり、全都道府県で自主上映会が200回以上開催され、その度に大きな反響を呼んでいます。
▼「Most Likely to Succeed」について
http://www.futureedu.tokyo/most-likely-to-succeed

Most Likely to Succeed 上映会&トーク in 信州なかの

結文舎では、今後も教育に関する学習会を開催していきたいと考えています。